車はいつまでも新車の時の綺麗なボディを保ちたいものです。
私が幼い頃、今から20年以上前は車のケアはワックスが主流でした。
毎週末には、車を洗車してワックスをかけるのが車好きの楽しみでもあったようです。
10年ほど前から、ガラスコーティングという車のボディを保護する方法が知られるようになりました。
最近では、カー用品店だけではなくホームセンターでもDIYガラスコーティング剤と呼ばれる、自分で手軽にガラスコーティングができるキットが販売されています。
今回は、DIYガラスコーティング剤とはどういうものなのか?
施工方法も含めてお話しさせていただきます。
■DIYガラスコーティング剤とは?
⑴ガラスコーティングとは?
ガラスコーティングは、ここ10年くらいで身近になった車の塗装の保護の方法です。
ガラスコーティングは、薬剤を化学反応させることで車の塗装のさらに上に1〜2層の耐久性のある層を作ることで、紫外線による劣化や黄砂などの細かな傷から塗装を守る方法です。
ガラスコーティングは、専門店に車を預ける方法とカー用品店で市販のコーティング剤を購入する方法があります。
⑵ ガラスコーティング剤の効果
ガラスコーティング剤は、ワックスやポリマーに比べてとても高い効果があります。
それは、コーティングの耐久性です。
ワックスでは、植物由来の樹脂で車の塗装面を覆うことで、光沢を出し、小さな傷を目立たなくする効果があります。
ですが、温度の変化に弱く、暑い日には溶け出してしまいます。
また、ポリマーは石油など化学薬品由来の樹脂で車の塗装面を覆い、紫外線による劣化を防ぐ効果があります。
最近では、カーシャンプーと一緒に行えるものもあります。
ですが、こちらも温度の変化に弱く、塗ってから1カ月もすると効果が失われてしまうものがほとんどです。
ガラスコーティング剤は、「塗る」というより、新しい塗装面を「作る」ような働きがあります。
ガラスコーティング剤に使われる薬剤も、フッ素などが含まれる製品がほとんどでとても耐久性が高いとされています。
⑶DIYガラスコーティング剤は?
車の塗装面の保護にとても効果のあるガラスコーティングですが、1つだけデメリットもあります。
専門店でガラスコーティングを行うと、最低でも軽自動車で20000円程度、大型の車ですと50000円と高い費用がかかります。
そこで、手軽に自分でガラスコーティングが行えるように開発されたものがDIYガラスコーティング剤です。
DIYガラスコーティング剤多くが2000〜3000円と安価で、カー用品店やホームセンターで手軽に購入することができます。
■ DIYガラスコーティング剤の種類
⑴硬化型とガラス系のコーティングのの違い
DIYガラスコーティング剤には、大きく分けて2つの種類があります。
1つ目は硬化型のコーティング剤、2つ目はガラス系コーティング剤です。
2つは、塗装の保護の耐久性とコーティングの手間に違いがあります。
硬化型のDIYガラスコーティング剤は、塗装の保護の耐久性が高い特徴があります。
その反面、手間がかかるという面もあります。
ガラス系のDIYガラスコーティング剤は、硬化型に比べて耐久性は劣るといわれています。
ですが、「塗って拭き取る」だけで手間がかからない商品がほとんどです。
⑵硬化型
効果型のDIYガラスコーティング剤は、「ガラス繊維を含む薬剤」と「硬化剤」を混ぜ合わせてコーティングを行います。
2種類の薬剤を化学反応させて、車の塗装面に硬くて厚みのある層を作るタイプです。
ガラス繊維を含んだ液体は、そのままでは液状ですが、硬化剤を加えることで徐々に結晶のようになり、仕上がるときには1つの層として車の塗装面に張り付きます。
施工方法で詳しくお伝えしますが、1度「ガラス繊維を含む薬剤」と「硬化剤」を混ぜ合わせると時間内に塗り終えなければなりません。
時間のかかる分、1回の施工だけで2〜3年の耐久性がある強靭なガラス被膜を作ることができます。
⑶ガラス系コーティング剤
ガラス系コーティング剤と呼ばれるDIYガラスコーティング剤は、「ガラス繊維を含む薬剤」を吹き付けて拭きあげるだけで簡単に施工することができます。
ガラス系コーティング剤の「ガラス繊維を含む薬剤」は、はじめから紫外線や湿気に反応して固まり始める薬品を含んでいます。
ガラス繊維とフッ素や紫外線や湿気に反応する薬品が含まれた薬剤は、吹き付けて拭き取った後は太陽の光と空気の湿度で自然に硬化します。
ガラス系コーティング剤は、洗車のたびに施工することで、ガラス繊維の被膜を塗り重ねていくタイプです。
1回だけでは、薄い被膜しか作ることができませんが、手間がかからず洗車と同時に吹き付けることで回数を重ねるたびに強く厚い被膜が出来上がります。
多くの商品は、霧吹きやスプレーのように吹き付けて3〜4回使えるように密閉された容器に入って販売されています。
■ DIYガラスコーティング剤は手軽に施工できるのか?
専門店に依頼すると20000〜50000円のお金が必要なガラスコーティング。
ホームセンターやカー用品店でDIYガラスコーティング剤を購入すると、2000〜3000円で施工することができます。
⑴ガラスコーティングに必要な場所
DIYガラスコーティング剤の施工では、専門店のような埃のない室内でなくても大丈夫ですが、車の周りを歩き回りながら塗る必要があります。
また、20〜30分の硬化時間があるため、洗車場の掃除コーナーではマナー違反になってしまいます。
自宅や職場の駐車場で作業するといいでしょう。
⑵どんな天気や季節がいいのか?
DIYガラスコーティング剤の施工では、車の塗装面の水滴は拭き取っておかなければなりません。
また、硬化型タイプのコーティング剤は溶剤が揮発しやすい特徴もあります。
気温の高くない、直射日光の強くない日、涼しい曇りの日がいいでしょう。
⑶ 施工時間は?
洗車が終わってから、コーティング剤を塗り、硬化するまで1時間程度見ておくと余裕を持って作業ができそうですね。
くれぐれも、拭きあげる前に急いで車を動かさなければならない事態は避けたいものです。
■ DIYガラスコーティング剤の施工方法
2種類あるDIYガラスコーティング剤のうち、耐久性は高いのですが手間もかかる硬化型タイプのコーティング剤の施工方法をお伝えします。
⑴洗車
DIYガラスコーティング剤の施工は、塗装面の上に新しく塗装をするようなものです。
塗装面は汚れが残らないように洗ってから作業をすると、ムラのない美しい仕上がりになりますよ。
高圧洗浄機で塗装面の砂や泥、虫を落とした後、カーシャンプーを泡だて脂分の汚れを落としておきましょう。
鉄粉を落とす粘土「鉄粉取り粘土」などを使い、塗装面に食い込んだ目に見えない鉄粉や砂を綺麗に落としておくことも大切なポイントです。
⑵乾燥
洗車の後、鉄粉を落として高圧洗浄機ですすいだ後は、セームタオルなどで水滴が残らないように拭きあげておきましょう。
コーティング剤を塗った後、水滴が垂れては大変です。
トランクやドアを開け、隙間の水滴を全て吹いておくことを忘れてはいけませんね。
その後、念のため10〜20分は乾燥させておくといいですよ。
⑶ DIYガラスコーティング剤の用意
乾燥の間にDIYガラスコーティング剤を用意します。
「ガラス繊維を含む薬剤」と「硬化剤」、硬化型タイプでは1剤と2剤といわれることもあります。
ほとんどの商品は、「ガラス繊維を含む薬剤」の大きなボトルに、「硬化剤」を流し込んで混ぜ合わせます。
この時に、決められた回数ボトルを振ります。
そして、コーティング剤には皮膚に有害な薬品も含まれています。
ビニールの手袋を忘れずに着用しておきましょう。
⑷ DIYガラスコーティング剤を塗る
いよいよ、コーティング剤を塗ります。
ほとんどの商品に、水で膨らむスポンジか湿らせて使うタオルが付いていますので、手袋をしたまま塗装面に塗り込みます。
⑸拭き取りと拭きあげ
塗り込んだコーティング剤は、すぐに1回拭き取るようにと説明書には書いてあるはずです。
薬剤が垂れてくる前に、捨てても良いタオルで素早く拭き取りましょう。
1回拭き取った後、表面が虹色になるタイミングで専用のタオルで拭きあげます。
この時、ゴシゴシと薬剤を取るのではなく、同じ方向に「塗り込む」ように拭きあげることがポイントです。
⑹それぞれの場所ごとに⑷〜⑸を繰り返す
この⑷ コーティング剤を塗る、⑸拭き取りと拭きあげを繰り返しながら作業を進めますが、大切なことがあります。
それは、⑷〜⑸の作業は車の部位ごと、ボンネットはボンネット、右のドアは右のドアごとに作業を行います。
理由は、硬化型タイプのコーティング剤は塗った後にどんどん硬化を始めます。
車全体を1回で塗ってしまうと、拭き上げの時にはすでに硬化が進んでしまっています。
硬化型タイプのデメリットは、硬化が進むとやり直しができないこと。
コーティング剤を塗ってから、仕上げるまで車のボンネットとバンパー、右のドア、左のドア、天井、リアと4〜5カ所に分けて作業すると、綺麗に仕上げることができますよ。
⑺硬化時間
硬化型タイプのコーティング剤では、全ての作業を終えてから20〜30分の硬化時間があります。
硬化は長くて、20時間程度で進みますが、作業を終えてから30分で車を動かしても大丈夫な時間と判断できます。
今回は車のボディ、塗装面を綺麗に保つことができるDIYガラスコーティング剤のお話をさせていただきました。
ワックスやポリマーに比べ、頻繁に塗る必要がなく、塗装面を紫外線による劣化や砂などの汚れや傷から保護できるガラスコーティング。
専門店で数万円の料金がかかるガラスコーティングも、市販されているDIYガラスコーティング剤のキットを使えば2000〜3000円で施工することができます。
休日の時間のある日に、洗車の手間をかけてガラスコーティングをすることで、2〜3年は塗装面を保護できるDIYガラスコーティング剤は時間的にも金銭的にも、経済的ではないかと思いますよ。
暑さが本格的になる前に、車のボディケアを済ませておいてはいかがでしょうか?ガラスコーティングと東京都で施工するなら